2007年度 システム情報科学特別演習(イントロダクトリセミナー)関連技術調査レポート

産業用X線CTスキャナ


はじめに



CTとはコンピュータ断層撮影(Computed Tomography)のことであり放射線などを利用して物体を走査しコンピュータを用いて処理することで、物体の内部画像を構成する技術・機器のことである。
 広義のCTは、ポジトロン断層法 (PET)やSPECT、や核磁気共鳴画像法 (MRI) などの、コンピュータを用いて断面像を得る各種検査法の総称である。
断層撮影」の名前のとおり、本来は物体の(輪切りなどの)断面画像を得る技術であるが、これらの検査技術は単に断面画像として用いられるのみでなく、画像処理によって3次元グラフィックスとして表示されることも多く、必ずしも「断面」に限定して用いる検査方法ではなくなってきている。

測定原理



 中央のターンテーブル上で回転する計測対象物にX線を当てる。対象物はX線を全方位から受ける。照射されたX線は対象物を通過する。この時X線は対象物に一部吸収されて減衰する。その後、線源の反対側に位置するX線検出装置に到達し、記録される。
 対象物に360度から照射したX線か、それぞれの方向ではどの程度吸収されたかを示す吸収率を「CT値」という。CT値の単位は空気を-1000HU、水を0HUと定義した(Hounsfield unit)という単位が利用される。このCT値を元にコンピュータで画像を再構築する。
 その方法は、1断面を格子状に分割し、各部位のCT値を未知数とし、その合計が実際のCT値と等しくなるように連立方程式を立てて解き、求められた各部位のCT値を元に画像を構築する。この格子は画像の解像度を決定するパラメータであるが、解像度を大きくすれば当然計算に要する時間も多くなる。


図1 測定原理

特徴


といった特徴がある。


図2 対象物


図3 断面図


図4 3Dデータ


これらの特徴を生かして以下のような利用例が挙げられる。

今後の課題

今後の課題としては

といったものがあげられる。

調査担当: システム共創情報学研究室 小川 智也(提出年月日:2007年8月7日)