HMDとは、頭部に装着するゴーグルやヘルメットのような形状をしたディスプレイ装置のことである。単に画像を表示するだけでなく、左右のディスプレイに少しずつ違った映像を表示することで立体感を表現することができるものもある。また、装着者の頭の移動に応じて画面を変化させることで、まるで仮想空間に入ったかのような視界を提供するなど、バーチャルリアリティのための装置として研究・実用化が進められている。もっとも、現在市販されている物の多くは、上記のようなバーチャルリアリティ装置としての側面を持たず、スペースを必要とせずに大画面が体感できるディスプレイとして使用されている。
眼鏡型
眼鏡の上部または前部に投影装置が装着されており、透明板部分に投影される。
帽子型
鍔の部分からディスプレイ装置が垂れ下がっている。ヘッドホンつきのものもある。ヘルメットマウントディスプレイ と呼ばれることもある。
(非透過)ヘッドマウントディスプレイ
装着すると外の様子を見ることはできず、完全に別の世界にいるかのようになる。外の様子が見えないため利用者の安全に配慮する必要がある。
ビデオ透過ヘッドマウントディスプレイ (ビデオシースルー、Video See-Through)
ヘッドアップディスプレイの一種でもある。装着すると外の様子を見ることはできないが、ディスプレイに外の様子が映し出されているので、利用者は安全に移動することができる。ただしこの場合、ディスプレイ装置だけでなくビデオカメラも装着する必要がある。
光学透過ヘッドマウントディスプレイ (光学シースルー、Optical See-Through)
ヘッドアップディスプレイの一種でもある。ディスプレイ装置はハーフミラーでできており外の様子が見える。片目のみにディスプレイ装置がついているものもある。
(虚像投影)ヘッドマウントディスプレイ
ハーフミラー等を利用することにより虚像を形成し、映像を観察できるようにするもの。
網膜投影ヘッドマウントディスプレイ
目の水晶体を利用して網膜に直接結像させるもの。利用者が近視や遠視等でも鮮明な像を見ることができる。ただ、眼球運動に左右されるため実装が非常に難しい。