2008年度 システム情報科学特別演習(イントロダクトリセミナー)

サイバーフィールド実習
実世界の3次元モデル構築 第2回目

担当:システム環境情報学研究室 小野里 雅彦/伊達 宏昭
最終改訂:2008年4月22日

第2回目の演習の概要

第2回目の演習では,3次元ディジタイザを用いて,環境のディジタルデータを取得します.

計測には米国3rd Tech社の3次元レーザディジタイザ DeltaSphere-3000を用います. この装置は,米国では事故現場や犯罪現場の記録などの目的で使用されます.

この機器はさまざまな安全の仕組みが付いており,危険はありませんが, 十分に注意して操作するようにしてください.

レーザによる計測の原理

レーザによる3次元の計測の原理においては,計測点の座標は レーザの光が出ている角度(水平角,垂直角)と, レーザ光が反射する点の奥行きの距離の3つのパラメータから求められます. すなわち,計測データは通常,極座標で与えられます.このうちの2つの角度は エンコーダなどにより機械的に計測されますが,奥行きの距離の計測に関しては, レーザが反射して帰ってくるまでの時間(Time of Flight:TOF)を計測することで 求めることができます.

TOFを直接に計測する方法としては,発射されたレーザパルスが帰ってくるまでの 時間を計測するDirect TOFが考えられます.ただし,この方法は遅れ時間の計測精度を向上 させることに限界があることや,反射などによる複数の反射パルスの処理などに 工夫が必要となります. DeltaSphere-3000で使用されているのは,振幅変調された 連続レーザ光(Amplitude Modulation/ Continuous Wave: AM-CW)を用いて, レーザ光の位相情報などを利用することで精度の高い計測を実現しています.

レーザ光を用いた距離計測は,レーザ光を反射する表面の性質に影響されます. 反射率の高い鏡面の性質をもった面や,逆にレーザ光を吸収して反射するレーザ光が少ない 面の計測は一般に苦手です.そのため,こうした性質の面の部分は計測データが欠落して しまうことが多く発生します.

DeltaSphere-3000の諸元

項目 
製造元 米国 3rd Tech inc.
使用レーザ 780nm 赤外レーザ 最大出力 8mW
レーザスポット 出射位置 2.5mm ビーム広がり 0.0005rad
最大計測距離 12m
計測角度 水平360度,垂直 -55度〜+90度
水平最小回転角 1/15 度
解像度 奥行き 0.25mm,角度0.015度
計測速度 毎秒25,000点
計測誤差 12m先で7mm(0.06%)

DeltaSphere-3000の設置と利用方法

DeltaSphere-3000は計測を行う場所で組立・設置の作業を行います. DeltaSphere-3000の機械のところに設置方法とスキャン方法のマニュアルをおいてありますので それをよく見て安全に留意して設置・使用をしてください.また,WEB上では ここ:DeltaSphere簡易マニュアル(作成:伊達宏昭助教)を参照してください.

また,今回の演習では,DeltaSphere-3000の拡張としてディジタルカメラを用いてデータ取得した 領域の画像し,マッピングすることができます.

【注意事項】
DeltaSphera-3000のデジタルカメラの画像データはtif形式で保存されますが, VRMLブラウザのCortonaでは,JPEG形式でないと,VRMLのモデルに テクスチャマッピングがうまくされません.tif形式からjpg形式に変換をして 使用してください.


演習担当:
     小野里 雅彦・伊達 宏昭