図・表の書き方
図や表は論文の内容を理解する上で大変に
効果的です.よい図表の入った論文は
それだけで研究の概要と成果が見て取れます.
それだけに,図表を作るときには配慮が必要となります.
いくつか注意すべき点をあげると,
- 図にはかならず,図番,図題(caption)を付けます.場所は
図の下です.図番は論文全体で通し番号を付けるやり方,各章ごとに
通し番号(たとえば,第3章の3番目の図は図3-3)をつける
やり方があります.学位論文など長い論文の場合には
後者の方がよいでしょう.表も同様ですが,表の場合には
表番,表題は表の上につけます.
- 図表で用いられる数値の有効数字に注意しましょう.
実験結果の数値には,どこまでが信頼できる値であるのかを
明確にする必要があります(理系学生の常識).
- 図や表で使われている文字の大きさに注意しましょう.
とかく図や表の文字は小さくなりがちですが,原則は本文の
文字と同じ大きさです.文字の読めない図表ののった論文は,
読者に理解してもらおうという誠意のない論文と見なされて
しまいます.
- 図単独で理解できるように配慮しましょう.一般的で
ない略号等が図中に用いられている場合には,その意味を図に
記しておくのがよいでしょう.学位論文では直接関係
ないかもしれませんが,学会誌等の投稿論文の場合に,
他人が引用・掲載する際に,そうした図表は引用して
もらいやすくなります.
- グラフ等では各軸のタイトル,単位等をきちんと
いれましょう.よくGNU-plot等の適切でない出力を
そのまま論文にのせて「コンピュータの出力だから
しょうがない」という人がいますが,他の
統計処理ソフトやドローソフト等を用いて,きちんとした
グラフに加工(データの細工ではないよ)して
使うべきです.
- 学会誌等の投稿論文の図表は英語で記すことになって
いることがあります.学位論文については特にそうした規定はありませんが,
英語で図表を統一してみるのもよい経験でしょう.
ただし,その際にはきちんと図表の英文にスペルチェックをかける
ことを忘れないように.
- 図表で使用する文字の書体はなるべく一般的なものを
使用するようにしましょう.また,数学記号等は
本文で使用している
書体となるべく同じものにしましょう.
- ページを印刷形式でレイアウトしたときに,あまり図の周辺に
余白が多いのは,ページかせぎのように思われて
見苦しいです.図表はコンパクトにまとめて,文章の
流れを不要に分断しないように注意しましょう.
- 写真などを論文に組み込む際には,適切な解像度にPhotoshop等
で調整したものを用いましょう.WEBからもってきた解像度の低い画像,
高画素のデジカメで撮影した大容量データの画像を直接使用することは,勧められません.
- カラーの図や表を使用する際には,白黒印刷をしたときも判別が
可能なようにしましょう.(例えば,明度,線種,線の太さなどを変える)
きれいな図の書き方等についてはここでは省略します.