論文執筆の注意&Tips
これまで述べてきた中で触れなかった細かな注意事項などを記します.
- 論文を書き始めると研究の色々な不備や新しい
アイデアが出てくる.提出締め切り間際になってから
書き始めるのではなく,普段からコツコツと材料をそろえておく.
- 論文は文語体で書く.口語的な表現はつかわない.
(例:とっても,〜なんかは,すごく,〜じゃない,...)
- 他人の論文のまる写しはいけない.例えば,序論の書き出しが,
「近年,生産環境の変化....」で皆が始まるのはワンパターン.
- 論文に嘘を書いてはいけない.記述は誠実に.
- 物理的な量は原則SI単位系で書く.たとえば,15.0[N], 12.2[m]など.
- 新しい用語を定義,導入したときには,その言葉を
boldにしたり,パラグラフを分けて定義文を入れたり
すると,後で定義を探すときに便利.
- 用語は学術用語で規定されている表記に従う.
たとえば,日常ではコンピューター,インターフェース,
センサーなどとなっているが,学術用語ではそれぞれ,
コンピュータ,インタフェース,センサである.
詳しくは学術用語辞典をみよ.(追記:近年,語尾のerについて
長音とするのが主流になりつつある.)
- 箇条書きで節・項を終わらない(尻切れトンボ).
必ず,節や項の内容を総括して次につなげる文章を入れる.
- 図表が文章を不自然に分断しないようにする.(たとえば,
図の上に一行だけ文章がはいる等)大きめの図はページの上に寄せて
しまうのが見やすい.
- 図を書くときには,やたらとフォントの種類,
大きさ,スタイルを変えない方がスッキリとみえる.
- Fig. 1などにおけるピリオドは,省略符である.よって,
Figure. 1,Table.1,図.1などの表記は間違いである..
- 絵を描くときには,あまり太い線を使わないほうが
見た目がよい.また,デフォルトの矢印の頭は大きすぎるので,
小さくすると見た目にきれいになる.
- 和訳された専門用語や自分で新たに導入した用語,
カタカナ英語,略号等には
英語をつけるのがよい.
たとえば,数値制御(numerical control),
コンカレント・エンジニアリング(concurrent engineering),
HMD(Head Mounted Display)など.
- 図や表の題目は,内容が分かるように親切につける.
たとえば,単に「実験装置概要」ではなく,
「切削加工における加工誤差の評価実験の装置概要」のようにする.また,
図題の下に図の説明文を付与するのもよい.
- 学術論文では,句読点として,[,.]を使うことが
[、。]よりも多い.
- 論文執筆の目安:書く材料がそろい論文執筆に朝から晩まで専念できたとして,卒論10日,修論2週間,博士論文3カ月.
- 締め切り厳守!
以上,丁寧に,わかりやすく,一貫した内容と形式で論文を書くように心がけてください.