講義担当者
小山 聡 Satoshi OYAMA
大学院情報科学研究科複合情報学専攻(表現系工学研究室)准教授.工学部情報エレクトロニクス学科情報工学コース担当.Web検索・マイニング,機械学習などについての研究を行っています.これまで,機械学習を用いた関係の予測やWebからの関係の発見に中心的に取り組んできました.特に最近は情報検索や知識発見における時間の扱いに着目して研究を進めています.
HP: http://kussharo.complex.eng.hokudai.ac.jp/~oyama/
E-mail: oyama(at)ist.hokudai.ac.jp (at)は@で置き換えてください
居室: 情報科学研究科棟8階 8-02号室

講義のポイント
「一を聞いて十を知る」賢いソフトウェアを作るには?
みなさんは,SF映画や小説などで人工知能という言葉に出会ったことがあるかもしれません.人工知能というのは,人間や生物の知的な行動を機械で実現しようという取り組みです.今回の紹介する機械学習は人工知能の一つの重要な機能です.それというのも,「経験から学習する」ということが,人間を含む生物の知的な行動の重要な部分を占めているからです.過去の成功や失敗から学習することで,将来より良い行動を行うことができるようになります.
たとえば,パソコンや携帯電話に届くスパムメール(迷惑メール)を自動的に消去してくれる機能を「スパムフィルタリング」と呼びますが,ここに機械学習の技術が使われています.過去に届いた「スパムメール」と「スパムでないメール」を元に,新しく届いたメールが「スパムメール」か「スパムでないメール」かを自動的に分類するのです.
ここで,過去に届いたメールに正解(「スパムメール」か「スパムでないメール」か)が与えられたものを訓練データと呼びます.コンピュータに訓練データを与えて,未知の(正解が分かっていない)データの正解を予測できるようにすることを教師付き学習と呼び,機械学習の最も基本的な枠組みの一つです(右図).
「学習」という言葉を聞くと,「記憶」(覚えること)と同じ意味に思えるかもしれません.たしかに,記憶は学習の最初のステップです.過去に起こった出来事を覚えていれば,将来同じ状況に出会ったときに,より望ましい行動を取れる可能性があります.しかし,多くの場合それだけでは不十分です.限られた過去のデータを元に,様々な可能性がある未知のデータに対して正しく予測を行う,いわば,「一を聞いて十を知る」ような能力が求められます.それには,どのようにしたら良いのでしょうか.それを考えるのが機械学習の研究の柱です.
人工知能や機械学習は空想の中の話ではなく,実際に多くの人が大学や企業で研究を行い,その技術は製品やサービスで使われています.本講義では,今後の機械学習の応用領域についても展望します.
デモンストレーション
日記継続作成支援のための対話エージェント
大学院生による日記継続作成支援のための対話エージェント(人工知能)のデモを予定しています.ユーザとの自然な対話を通して,記憶の想起や記録の整理の支援を行うソフトウェアです.

